柔道整復師の職務経歴書の書き方

柔道整復師の職務経歴書でつまずくのは、「施術をしていた」以外に書くことが思いつかないという点です。実際には、担当した症例、1日の施術人数、後輩指導、保険請求など、書けることは多くあります。書き出し方から順に解説します。

この記事の要点

  • 実務経験があるなら、求められていなくても添えたほうがよい
  • 形式は逆編年式。A4で1〜2枚に収める
  • 1日の施術人数・患者層の比率・指導人数など、数字を入れると一気に具体的になる
  • 応募先の施設タイプによって、前に出す経験を入れ替える

柔道整復師に職務経歴書は必要か

実務経験がある方は、提出を求められていなくても添えることをおすすめします。履歴書の職歴欄は1行しか書けないため、「どの施設に何年いたか」しか伝わりません。どんな患者層を担当し、何ができるのかは、職務経歴書でしか伝えられません。

特に、接骨院からクリニックへ、あるいは介護施設へと施設タイプをまたぐ転職では、これまでの経験が応募先でどう活きるかを翻訳して見せる必要があります。この翻訳作業ができるのが職務経歴書です。職場ごとの違いは働く場所と仕事内容の違いで整理しています。

新卒・実務未経験の場合は不要です。履歴書の志望動機欄と、面接での受け答えで十分に伝えられます。書き方は新卒・未経験の柔道整復師の志望動機を参照してください。

形式は「逆編年式」が基本

直近の職歴を上に書く形式です。採用担当者は今できることを知りたいので、最新の経験から読めるほうが親切です。A4用紙1〜2枚に収めます。経験が3施設以内なら1枚、それ以上なら2枚が目安です。

項目書く内容
職務要約経験年数と得意分野を150字程度で。ここだけで人物像が伝わるように書く
活かせる経験・スキル箇条書きで4〜6項目。施術技術だけでなく事務・指導も含める
職務経歴施設ごとに、概要・担当業務・実績を分けて記載
保有資格免許名と取得年月
自己PR200〜300字。志望動機と内容が重複しないよう役割を分ける

施術実績を数値にする

職務経歴書がありきたりになる最大の原因は、数字がないことです。「腰痛や肩こりの施術を担当しました」では、どのくらいの経験なのかが伝わりません。次の切り口で数値化してみてください。

  • 1日あたりの施術人数「1日平均25名」と書くだけで、施術のスピード感と体力が伝わります。回転の速い院で働いてきたことの証明になります。
  • 担当した患者層の比率「高齢者7割・学生2割・交通事故1割」のように書くと、どんな症例に慣れているかが具体的に見えます。
  • 外傷症例の件数骨折・脱臼の整復に立ち会った件数、固定を担当した件数など。柔道整復師の本領なので、数があるなら必ず書きます。
  • 自費メニューの実績導入に関わった、月間の自費売上を伸ばした、といった実績は経営視点の評価につながります。
  • 指導した人数新人を何名担当し、何か月で独り立ちさせたか。教育できる人材は、どの施設でも不足しています。
  • 継続率・再来院率数字を把握していれば強力です。分からなくても「担当患者の途中離脱がほとんどなかった」など定性的に書けます。

正確な数字が分からない場合は「約」「平均」を付けて概算で構いません。面接で説明できる範囲であれば問題ありません。

そのまま使える記載例

職務要約

記載例

柔道整復師として8年間、接骨院にて外傷施術および慢性症状の施術に従事してまいりました。直近3年は交通事故施術の担当責任者として、年間約100名の患者様を担当し、保険会社との折衝や書類作成も一貫して行っています。新人2名の教育も担当し、独り立ちまでの手順を整理した経験があります。

活かせる経験・スキル

記載例

・外傷施術(骨折・脱臼の整復補助、固定、後療法) ・交通事故施術および自賠責保険の書類作成、保険会社対応 ・高齢者の慢性症状に対する施術と日常動作の指導 ・新人教育(2名の指導、研修内容の文書化) ・レセプト作成および療養費支給申請の実務

職務経歴(施設ごと)

記載例

【医療法人○○会 ○○接骨院】令和2年4月〜現在 事業内容:接骨院3院の運営 / 従業員数:18名 / 1日平均来院数:約70名 ■担当業務 ・外来患者の施術(1日平均25名を担当) ・交通事故施術の担当責任者(年間約100名) ・新人スタッフ2名の教育、施術記録の様式改訂 ■実績 ・交通事故患者の途中離脱率を前年比で大幅に改善 ・新人の独り立ちまでの期間を平均6か月から3か月に短縮

応募先の施設タイプに合わせて書き分ける

同じ経歴でも、強調すべき経験は応募先によって変わります。すべてを平等に書くのではなく、応募先で活きる部分を上に持ってきてください。

応募先前に出すべき経験
接骨院・整骨院外傷施術の件数、1日の施術人数、自費メニューの実績、再来院につながる関わり方
クリニック医師や他職種との連携経験、記録・報告の丁寧さ、運動器リハビリの実施経験
介護施設高齢者の対応経験、転倒予防や生活動作の指導、多職種でのカンファレンス参加

施設タイプごとの詳しい違いと志望動機の例文は、接骨院・整骨院クリニック介護施設の各ページにまとめています。応募先が決まっている場合は、そちらもあわせてご覧ください。

ありがちなNG

業務内容の羅列で終わっている

NG

外来患者の施術、電療、テーピング、受付業務、レセプト作成を担当しました。

OK

外来患者を1日平均25名担当し、うち3割は部活動の学生でした。試合日から逆算した固定期間の設定を任され、復帰後の再受傷を減らす取り組みを行いました。

やっていたことを並べるだけでは、誰が書いても同じ文章になります。担当した規模と、工夫した点を必ず添えてください。

専門用語をそのまま並べている

NG

MT、EMS、ハイボルト、微弱電流を用いた施術を担当。

OK

手技療法に加え、急性期には高電圧の電気刺激を用いるなど、症状の時期に応じて機器を使い分けてきました。

院内の略語は他院では通じません。採用担当者が施術者とは限らないため、一般的な言葉に開いて書きます。

経験年数別の書き方

同じ職務経歴書でも、経験年数によって読み手が知りたいことは変わります。どこに紙面を割くかを間違えると、伝わるものも伝わりません。

経験年数紙面を割くべきところ
1〜3年担当した症例の幅と、任された業務。まだ実績が少ないため、何をどれだけ経験したかを具体的に並べる
4〜9年得意分野の明示と、工夫して結果を出した話。「言われたことをやった」から「自分で考えて変えた」へ
10年以上後進の育成、院の運営への関与、数値で示せる改善。技術の羅列より、組織にどう効いたかを書く
未経験・ブランクあり前職や離職期間で得た力を、施術の現場に翻訳する。学び直しの内容を具体的に書く

ブランクからの復職では、離職期間に何をしていたかを書いたほうが印象がよくなります。進め方はブランク・未経験からの復職ガイドにまとめています。

自己PR欄と志望動機欄の書き分け

職務経歴書の末尾に自己PR欄を設ける場合、履歴書の志望動機と内容が重なりやすくなります。役割を分けて考えてください。

書類・欄役割
履歴書の志望動機欄なぜこの施設なのか。200〜300字で意欲を中心に
職務経歴書の自己PR欄自分に何ができるのか。200〜300字で根拠を中心に
職務経歴書に志望動機も書く場合300〜400字。履歴書より詳しく、経験の裏づけを1文足す

自己PRの組み立て方と例文は自己PRの書き方と例文、志望動機の例文は施設タイプ別に接骨院・整骨院クリニック介護施設にまとめています。

よく聞かれる書き方の疑問

  • 手書きとパソコン、どちらがよいか職務経歴書はパソコンが基本です。表や箇条書きを使うため、手書きだと読みにくくなります。履歴書だけ手書きにする組み合わせでも問題ありません。
  • 短期間で辞めた職場も書くべきか書いてください。空白期間があると、かえって疑問を持たれます。1行で事実を書き、面接で説明できるよう準備しておくほうが安全です。
  • アルバイトの経験は書けるか接骨院での受付や助手の経験は書く価値があります。無関係な業種でも、接客や在庫管理など施術の現場に翻訳できるものは書けます。
  • 写真は必要か不要です。写真は履歴書のみで構いません。
  • 志望動機と重複しても大丈夫か同じエピソードを使うのは構いませんが、切り口を変えてください。志望動機は選んだ理由、職務経歴書は能力の証明として使います。

提出前のチェックリスト

  • 数字が1つ以上入っているか施術人数、担当年数、指導した人数、患者層の比率。どれか1つでも入ると具体性が跳ね上がります。
  • 院内の略語を使っていないか機器名や施術メニューの略称は他院では通じません。一般的な言葉に開いて書きます。
  • 応募先で活きる経験が上にきているか時系列は守りつつ、要約と「活かせる経験」の欄で応募先向けに並べ替えます。
  • 西暦と和暦が履歴書と揃っているか2枚の書類で表記が違うと、注意力を疑われます。
  • A4で1〜2枚に収まっているか3枚以上は読まれない前提で、応募先で活きない経験は要約します。

書類が仕上がったら、次は面接の準備です。想定質問は面接でよく聞かれる質問と回答例にまとめています。

よくある質問

職務経歴書は何枚にまとめるべきですか?

A4で1〜2枚が目安です。経験施設が3つ以内なら1枚、それ以上あるいは経験年数が10年を超える場合は2枚に収めます。3枚以上になると読まれない可能性が高くなるため、応募先で活きない経験は思い切って要約してください。

施術人数などの数字を正確に覚えていません。書かないほうがいいですか?

概算で構いません。「1日平均約25名」のように「約」を付けて書けば問題ありません。ただし面接で聞かれたときに説明できる範囲にとどめてください。実態と大きく違う数字は避けます。

職務経歴書にも志望動機を書く必要はありますか?

必須ではありませんが、書く場合は履歴書より詳しく300〜400文字程度にします。履歴書と同じ文章を貼り付けると重複感が出るため、職務経歴書側では経験の根拠を厚めに、履歴書側では意欲を中心に、と役割を分けるのがおすすめです。

施設タイプ別の志望動機例文

応募先が決まっている場合は、施設タイプに合わせた例文をそのまま使えます。

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